せどりビジネスで書籍を出版・販売しようと考えている方で、「ISBN」というコードについて見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか?
ISBNコードとは、端的に説明すると書籍に印字されたコードのこと。このコードがあることで、消費者・販売者は特定の書籍を特定することができます。
この記事では、主に以下のことについて解説します。
- ISBNコードとは?
- ISBNが適用される商品は?
- ISBNがもつ3つの役割とは?
- ISBNコードの取得方法
- ISBNコードを扱う際の注意点
ISBNコードの概要や役割について知って、せどりビジネスに活かしていきましょう。
ISBNとは?
ISBNは英語の「Intarnational Standard Book Number」の略称で、書籍の裏表紙に印字された13桁の国際書籍管理番号のことです。世界中の200以上の地域で採用されています。
ISBNや図書分類コード、価格コードが付与されたものを「日本図書コード」、2段一組のコードにシンボル化したものをまとめて「JANコード」と呼びます。
一つの書名に対して1つのISBNコードが発行される仕組みです。
ISBNコードを含むJANコードによって商品が管理され、POSレジを通して書籍が販売されています。書籍の出版・販売のためには、ISBNコードを取得しなければなりません。
ISBNコードが適用される商品
ISBNコードが適用される書籍は、主に以下のような商品です。
- 印刷・製本された書籍及び小冊子(雑誌、新聞、定期刊行物、ISSN の対象となる逐次刊行物を除く)・雑誌扱いで配本されるコミックスとムック
- 点字出版物
- マイクロフィルム出版物
- 電子書籍・e ブック及び書籍をそのままデジタル化した出版物
- 学校教育を目的とするソフトウエア
- カセットテープ/ CD / DVD オーディオ等、朗読音声などを収録するオーディオブック ・地図(1枚ものの印刷物でも、ISBN 国際基準で ISBN 付与対象。)
- 主な構成物がテキスト・イラスト等の書籍印刷物である複合メディア出版物
出典:JPO 日本出版インフラセンター|ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード利用の手引き|ISBNの付与対象となる出版物の形態
このように、幅広い種類の商品にISBNコードが適用されているのが特徴だといえます。その一方で、下記のような商品にはISBNコードが適用されません。
- 雑誌、新聞、定期刊行物、ISSNの対象となる逐次刊行物等
- 雑誌等の定期刊行物は、定期刊行物コード(雑誌)
- 楽譜印刷物(純粋な楽譜のみ)
- 扉も本文もない 1 枚もののアートプリント複製物・ポスター類 絵画・版画・写真などのポスター印刷物
- 1枚ものの楽譜・カード・絵葉書・グリーティングカード類の印刷物/カルタ・トランプ類
- 音声を記録した CD /テープ/ DVD /各種データメディア
- ゲーム
- 学校教育目的以外のソフトウエア
- 個人的文書(例:電子履歴書、個人情報など)
- 電子掲示板・Web サイト・ブログ・電子メール・その他の電子通信文)
出典:JPO 日本出版インフラセンター|ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード利用の手引き|ISBNの付与対象とはならない物
書籍と直接関係のない印刷物やゲーム・CD・DVD、電子版の書籍は対象外です。そのほか、電子書籍に関しては、以下のような規定が定められています。
- 電子書籍・eブックに対してもISBNを付与できる(Webマガジンはのぞく)
- 紙媒体の書籍を電子書籍で出版する場合には別のISBNを付与する
- タイトルページ、またはトップページにISBNコードを掲載すること
出典:JPO 日本出版インフラセンター|ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード利用の手引き|Web 上のデジタルコンテンツ(電子書籍など)に対する ISBN 付与の基準
このように、電子書籍にもISBNコードを付与できることがわかります。
ISBNコードがもつ3つの重要な役割
ISBNコードを各書籍に付与することで、特定の書籍や出版物を管理でき、効率的な商品流通・販売に役立つことが期待されます。
ここでは、ISBNコードが書籍の流通・販売にどのような形で役立つのかを確認して、書籍せどりに活かしてみましょう。
特定の書籍・出版物を検索できる
ISBNコードとは、つまるところ書籍ごとの識別番号です。ISBNコードがあることで、特定の書籍や出版物をすぐさま検索できます。
ISBNコードを入力することで、書籍に関する情報を検索でき、書籍を検索する手間がかかりません。
効率的な商品流通に役立つ
ISBNコードは各流通工程における商品の効率的な流通に役立ちます。
書籍が実際にユーザーの元に届くまでには、販売元の書店から発送され、いくつかの問屋・販売店を経由する必要があります。
しかし、ISBNコードを書籍に付与することで、システム上で即座に書籍をピックアップできるので、効率的な書籍の流通に役立つといえるでしょう。
ISBNコードが付いた書籍は国会図書館で保存される
ISBNは、申請することで自費出版物や非売品にも付与できます。ISBNコードが付与された書籍は、国会図書館や場合によっては市の図書館でも保存される義務が生まれます。
ISBNコード付きの書籍は、国会図書館で恒久的に保存されると覚えておきましょう。
ISBNコードの取得方法
ISBNコードを発行するためには、下記の情報を登録して、料金を支払う必要があります。
- 出版者名(企業・個人)
- 所在地
- 氏名
- 電話番号・FAX
- メールアドレス
出版者名は、法人だけでなく個人も登録可能です。その後、書籍の管理者情報としての氏名や電話番号、メールアドレスなどの個人情報を登録すれば、ISBNを申請できます。
ISBNを取得したら、販売予定の書店やオンラインショップで商品登録。その後は、書籍を印刷して必要となるストックを準備するという段取りになります。
自費出版の場合
ISBNコードを申請するためには、下記の登録料を支払う必要があります。
登録数 | 料金 | 詳細 |
1個 | 8,000円+税 | 新規登録料7,250円+税国際本部運営資金750円+税 |
10個 | 20,000円+税 | 新規登録料18,000円+税国際本部運営資金2,000円+税 |
100個 | 37,000円+税 | 新規登録料33,000円+税国際本部運営資金4,000円+税 |
このように、書籍の登録点数によって登録料が異なる点が特徴です。一度に多くの書籍を登録すればするほど、一冊あたりの登録料が安くなっていく料金体系となっています。
また、紙媒体の書籍を流通させる場合にはJANコードの申請が必要です。JANコードは3年ごとに更新する必要があり、書籍の売上高によって申請料が変わります。
ランク(売上高による) | 年間の売上高 | 申請料 |
A | 500億円以上 | 100,000円+税 |
B | 50億円以上〜500億円未満 | 50,000円+税 |
C | 10億円以上〜50億円未満 | 30,000円+税 |
D | 1億円以上〜10億円未満 | 20,000円+税 |
E | 1億円未満 | 10,000円+税 |
JANコードの申請するためには、ISBNコードを取得し、価格コードや分類記号を決めて、日本図書コードを作成するようにしましょう。
代行業者を使って出版する場合
ISBNコードやJANコードの取得手続きを代行してくれる業者のサービスを利用する手段もあります。具体的には、以下のような代行業者があります。
- boolepalette:税込4,180円でISBN・JANコード申請代行
- MyISBN:税込4,980円でISBN・JANコード申請代行
- 冊子印刷のオリンピア:税込5,500円ISBN・JANコード申請代行
各業者によって代行サービスの内容は異なり、その他に利用できるサービスも変わるので、自分に合った業者サービスの利用も検討してみましょう。
Amazonで書籍販売をする際の注意点
Amazonで書籍を販売する際には、どんな代行サービスを利用するのか、最終的な利益は出るのか、アカウントは本当に安全かどうかチェックしておく必要があります。
Amazonで書籍販売を検討している方は、参考にしてみてください。
どの媒体で出版するのか
Amazonで書籍出版・販売を行うなら、紙媒体で出版するのか、電子書籍で出版するのか、もしくは両方の媒体で出版するのかを考えておく必要があります。
紙媒体で出版を行う場合は、ISBN・JANコードの取得手続きの手間や出版・流通コストがかかりますが、最近では一冊単位で印刷できるサービスも増えてきており、書籍出版のハードルは徐々に下がりつつあります。
電子書籍で出版を行う場合は、書籍の印刷・流通コストがかからず、日本市場だけでなく、世界各国の市場向けにも販売できるのが特徴です。
販売方法を考える
Amazonで書籍を販売する方法には、下記の2通りの方法があります。
- Amazonマーケットプレイス:出品プランに応じた手数料を払って販売
- e託販売:9,000円の年会費で書籍管理・販売業務を委託
Amazonで自分で書籍を販売するなら、Amazonマーケットプレイスを利用します。
小口出品プラン(100円+販売手数料)か大口出品プラン(4,900円/月+販売手数料)から出品プランを選んで、商品を販売するごとに手数料を支払いましょう。ちなみに、書籍やCD、DVDなどの商品の販売手数料は販売価格の15%と定められています。
e託販売は、書籍の管理・販売・発送業務を代行してくれるサービスです。月額9,000円の固定費で、書籍の販売業務が可能。また、売れ行きや需要分析ができるので、足りなくなった商品をオンタイムで補充し、販売の機会損失をへらすことができます。
販売利益を考える
Amazonで書籍を販売するなら、必要経費を差し引いた最終的な利益で考える必要があります。
とくに古本せどりを行う場合には、利益がでる商品とそうでない商品との差が激しいので、仕入れ時に利益計算アプリを活用するのがおすすめです。
ちなみに、セラースケットは、仕入れ値と売値を入力することで、販売方法に応じた利益率を自動で計算してくれる便利なリサーチツールです。
Amazonで書籍せどりで成功したい方は、ツールの導入も検討してみましょう。
アカウント凍結リスクを考える
Amazonでせどりを行っていく上で、最も大きなリスクはアカウントの凍結です。
模造品や出品規制がかかっている商品などをAmazonで出品すると、アカウントが凍結され、せどり取り引きを行えなくなってしまうリスクがあるのです。
しかし、前述した「ワカルンダ」を使用すると、リサーチしている商品をAmazonで出品する場合のアカウント凍結リスクを下記のランク別に表示してくれます。
リスク順 | 理由 |
危険度A | アカウント凍結リスク大 |
危険度B | アカウント凍結リスク中 |
危険度C | 請求書通知の可能性あり |
危険度D | 商品ページ削除の可能性あり |
リスク低 | なし |
Amazonに出品されている約10,000点以上の商品情報データを元に、わかりやすい形で出品リスクを表示してくれるので、アカウント凍結につながる商品を避けやすいです。
また、万が一Amazonアカウントが凍結された場合でも、アカウント復帰に向けた改善文の作成から添削、改善案の提出まで総合サポートしてくれます。
Amazonアカウントの凍結を予防するなら、セラースケットの利用がおすすめです。
ISBNに関してよくある3つの質問
ISBNに関して、以下のような疑問・質問がよく見られます。
Q1.ISBNの番号の仕組みとは?
ISBNのコードの仕組みは、下記の表の通りです。
コードの桁数 | 意味 |
1〜3桁目 | 書籍番号。日本は978 |
4桁目 | 国番号。日本は4 |
5〜9桁目 | 出版者番号 |
10〜12桁目 | 書名記号(出版社で何番目の出版物か) |
最後の1桁 | チェックデジット(1〜12桁の数字が正しいことを示す) |
Q2.ISBNの検索方法は?
ISBNの認可を出しているJPO 一般社団法人 日本出版インフラセンター 日本図書コード管理センターの公式サイトで、出版者名を入力することで、ISBNコードを検索できます。
Q3.価格改定をする際のコード改定は?
書籍の価格を改定する場合は、ISBNコードを含む日本図書コード内の価格コードを改定し、JANコード全体を作り直す必要があります。
Q4.出版活動を停止する場合の手続きは?
書籍の在庫が手元になく、ISBN出版社番号も使用しないなら、JPO 一般社団法人 日本出版インフラセンター 日本図書コード管理センターのお問い合わせフォームから、「取り消届」、ISBNを今後使用しない場合は「ISBN不使用届」を申請して提出します。
ISBNの仕組みと役割を確認して、書籍販売に活用していこう!
ISBNコードは、書籍を判別し、流通を効率化させる識別コードです。ISBNコードを申請するためには、出版者名や所在地、管理者情報として氏名や電話番号を登録します。
ISBN・JANコードの取得には登録手数料がかかります。Amazonで書籍を出版・販売する際には、その販売方法についても検討しておかなければなりません。
また、古本のせどりを行う場合には、利益計算できるツールや、もしもの際にアカウント凍結を予防してくれるツールの導入を考えておくことがおすすめです。
ISBNやJANコードなど、書籍を販売する際に必要なコードや注意点をよく確認して、Amazonなどの販売プラットフォームで書籍の販売を成功させましょう。